新製品 DJI RS 5 1ヶ月使用レビュー

遂に新製品「DJI RS 5」が日本でも発表・発売となりました。
前モデル DJI RS 4からさまざまな点で進化を遂げ、より使いやすく、より便利なジンバルへと仕上がっています。
今回はDJI RS 5を約1ヶ月間実際に使用してみて 気づいた点の中から、特に「これはおすすめしたい」と感じたポイント を中心にレビューしていきます。
目次
1.全軸での微調整ノブ
2.自動ロックと同時開閉三脚
3.インテリジェントトラッキング機能
4.電子ブリーフケース ハンドル
全軸での微調整ノブ
今回の目玉ともいえる進化が、全軸への微調整ノブの搭載です。
これまでのDJI RS 4までは、前後方向のみ微調整ノブが搭載されていました。
そのため、他の軸のバランス調整はプレートを直接動かしながら微調整する必要があり、慣れないうちは時間がかかる場面もありました。
しかしDJI RS 5では、すべての軸に微調整ノブが搭載。
これにより、各軸をノブ操作だけで直感的かつ精密に調整できるようになり、ジンバルのバランス調整がこれまでにないほどスムーズになっています。
以下の動画では、実際にジンバルのセッティングにかかる時間をRS 4とRS 5で比較しています。
機材構成は以下の通りです。
・SONY α1
・Sigma AF CINE LINE 28-45mm T2(Eマウント)
※動画内で最後のパラメーターを確認する際、本来はジンバルを傾ける必要がありましたが、その点を失念しております。あらかじめご了承ください。
今回使用したレンズは比較的重量のあるシネマレンズで、ペイロードも限界ギリギリを攻めた機材構成となっています。
そのためRS 4では、特に前後方向のバランス調整に時間を要している様子が分かるかと思います。
一方RS 5では、全軸に微調整ノブが搭載されたことで、バランス調整が非常にスムーズに進んでいます。
この「バランス調整の手軽さ」は、スペック表だけではなかなか伝わらず、実際に触ってみて初めて実感できるポイントです。
ぜひ一度、店頭で実機を手に取ってお試しいただきたいと思います。
自動ロックと同時開閉三脚
DJI RS 4に引き続き、DJI RS 5でも起動・収納時の自動ロック/解除機構を搭載。
RS 3、RS 4でも採用されていた機能のため新鮮味は控えめですが、ジンバルの出し入れを素早く行える点は、やはり一度使うと手放せない便利さがあります。
さらにRS 5では、新たに三脚の同時開閉機能が追加されました。
従来モデルでは三脚の足を1本ずつ開く必要がありましたが、RS 5付属の三脚は1本を開くだけで残りの足も連動して展開。セッティングや撤収をよりスムーズに行えます。
一見すると地味な改良にも思えますが、実際の現場ではこの差は意外と大きく、
設置から撮影開始、そして収納までの一連の流れをよりスムーズにしてくれます。
特に、セッティングに時間をかけたくない撮影や移動の多い現場では、その効果を強く実感できるポイントです。
インテリジェントトラッキング機能
DJI RS 4 Miniと同時に登場したインテリジェントトラッキングモジュールは、DJI RS5でさらに進化しました。
人物のトラッキングに加え、車両やペット(犬・猫など)にも対応し、撮影シーンの幅が大きく広がっています。
前機種のDJI RS 4では、トラッキングモジュールに搭載されたカメラの映像を確認できないという課題があり、複数人をフレームに入れた際に、どの被写体がトラッキングされているのか分かりづらい場面がありました。
この点はRS 5で改善され、ジンバル本体のモニター上でトラッキング対象のプレビューが可能に。
以下の動画では、人物の顔に最初から枠が表示され、正確にトラッキングされている様子を確認できます。
また、トラッキング方法として、画面上でタッチ&ドラッグして被写体を囲む操作にも対応しています。
これにより、人物や車両だけでなく、モニュメントや看板など自動認識されにくい被写体に対しても、高精度なトラッキングが可能です。
トラッキングモジュールの課題点として挙げられるのが、Lidarなどの距離センサーを用いた被写体認識ではないため、暗所での被写体検知に弱いという点です。
特に照度の低い環境では、被写体を見失いやすいのではないかと不安に感じる方も多いでしょう。
一方で、実際に使用してみると、完全にトラッキングが破綻するわけではなく、暗い環境下でも一定レベルでの追従性能を発揮することが確認できました。
暗所でのトラッキング検証
そこで今回は、実際に暗所でのトラッキング性能を検証。
検証時刻は冬の17:30頃、すでに日没を迎えた海岸という、かなり厳しめの条件下でテストを行っています。

今回は照度計を使用していないため、明るさを数値で示すことはできませんが、雰囲気だけでも伝わればと思います。
写真をご覧いただくと、トラッキングモジュールのランプが緑色に点灯しており、暗所でもトラッキングが正常に行われていることが確認できます。
では、このときトラッキングモジュール側のカメラは、実際にどの程度の明るさで被写体を捉えているのでしょうか。
以下は、カメラ本体からの映像と、トラッキングモジュール上での映像を比較したものです。

カメラ本体のモニターに映っている映像は、実際の風景に近い明るさに設定しています。
一方、トラッキングモジュール側のプレビュー映像を見ると、露出が大きく持ち上げられていることが分かります。
この仕組みにより、暗所であっても被写体を認識し、トラッキングを継続できるようになっています。
下記の動画は、暗所で実際にトラッキングが行われている様子です。
※検証時は、ジンバルに搭載しているカメラの露出をやや明るめに設定しています。
電子ブリーフケース ハンドル
これまでDJI純正の同系統アクセサリーは、RS 4 Pro Comboなどに付属していましたが、ジョイスティックやトリガーは搭載されておらず、主にローアングル撮影を補助するためのアームという位置づけでした。
新たに登場した電子ブリーフケース ハンドルでは、ジョイスティックやトリガーを搭載。
ジンバル本体と同様の操作感で、直感的にコントロールすることが可能です。
また、ハンドル本体には電子接点が備えられており、充電やペアリングは不要。
RSAポートに接続するだけで、すぐに使用できる手軽さも大きなポイントです。

実際に運用してみると、この電子ブリーフケース ハンドルは想像以上に便利でした。
サードパーティー製のハンドルでは、充電やペアリングを気にする必要があり、利便性と引き換えに持ち出すか迷う場面もありますが、その点で純正品は安心感が違います。
また、RSAポートの接続部はネジ固定だけでなくロック機構も備えており、撮影中に外れてしまう心配がありません。
安心して撮影に集中できる点も、実運用では大きなメリットと言えるでしょう。

今回実際に使用してみて気づいたのですが、この電子ブリーフケース ハンドルは、ローアングル撮影用途でも非常に有用でした。
特に印象的だったポイントが2点ありますので、ご紹介します。
① Focus Proモーターとの組み合わせ
RS 4の時点でも、Focus Proモーターを最大2台までジンバルと組み合わせて使用することは可能でした。
背面ダイヤルとジョイスティックにそれぞれ操作を割り当てることで同時操作はできたものの、すべてをジンバルを持つ右手だけで行う必要があり、実運用ではかなり難易度が高い操作でした。
電子ブリーフケース ハンドルにはダイヤルこそ搭載されていませんが、ジョイスティックを備えています。
これにより、左手のジョイスティックでズーム操作、右手のダイヤルでフォーカス(またはF値)操作といったように、両手を使った直感的なコントロールが可能になります。
今回の動画では、Sigma AF CINE LINE 28-45mm T2を使用しています。
そのためフォーカス操作はレンズ側に任せ、右手でF値の調整、左手でズーム操作を行っています。
② Type-Cポートを使用したスマートフォン接続
※本内容はメーカー非公表の使用方法です。(2025/01/29現在)
ファームウェア更新などにより、将来的に使用できなくなる可能性があります。
電子ブリーフケース ハンドルにはType-Cポートが搭載されています。
このポートはジンバル本体のType-Cポートと内部で接続されており、この特性を利用することで、Creator’s App や Monitor & Control などのカメラメーカー純正アプリを、有線接続で使用することが可能です。

無線接続と比べて遅延が少なく、人混みなど電波環境が不安定な場所でも、プレビュー映像を安定して確認できます。

接続方法
カメラ
→ インテリジェントトラッキングモジュール下部のType-Cポート
→ 電子ブリーフケース ハンドルのType-Cポート
→ スマートフォン
※データ転送に対応したType-Cケーブルを使用してください。
※本接続方法では、インテリジェントトラッキングモジュールは使用できません。
また、繰り返しになりますが、メーカー非公表の使用方法となるため、運用は自己責任でお願いいたします。
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