DJI RS4 Proでリモートカメラ運用
「ワンオペでマルチカメラ撮影なんて無理!」
そう思っていた方に朗報です。
DJIのRSシリーズが、リモートであなたの撮影をお助けします。
離れた場所にあるカメラも、まるで手元で動かしているかのように操作可能です。
1.DJI RS4 Pro+高輝度遠隔モニター
遠隔でRECを回す際、「本当にフォーカスが合っているのか」「カメラの向きを変えたい」と感じる場面は多いのではないでしょうか。
そんな課題も、RS4 Proと高輝度モニターを組み合わせることで解決できます。
この構成を使えば、録画中のプレビュー映像をリアルタイムで確認しながら、RS4 Proのリモート操作も可能になります。
検証機材
・DJI RS4 Pro
・DJI Transmission (高輝度モニターコンボ)
・DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ
・DJI Ronin 4D ハンドグリップ コンボ
・FX30
・SELP18105G
・HDMIケーブル
今回はSONYのFX30とSELP18105Gを使用して検証しました。
以下の動画のように、収録中の映像をリアルタイムでプレビューしながら、RS4 Proを遠隔操作することが可能です。
ワンオペ撮影でも、被写体の動きや構図に合わせてスムーズにカメラワークをコントロールできます。
高輝度モニター側では、ジョイスティック操作だけでなくジャイロ機能を使った直感的な操作も可能です。
また、DJI Ronin 4D ハンドグリップ コンボと組み合わせてビデオ雲台などに設置すれば、普段の撮影スタイルに近い感覚で離れた場所のカメラを自在に動かすことができます。
ジャイロ機能は、パン・チルト・ロール各軸ごとにパラメーターを独立して設定可能です。
例えば「パン軸のみジャイロ操作、他軸は固定」といった細かいチューニングも行えます。
注意点:パワーズーム機能は高輝度モニター側では使用できません。ズーム操作を行う場合は、ジンバル本体側のジョイスティックから操作する必要があります。
2.DJI RS4 Pro +高輝度遠隔モニター+Focus Pro
DJI Focus Pro を使用することで、先ほどの使用例をさらにアップグレードすることが可能です。
遠隔操作環境を維持したまま、シネマレンズでのオートフォーカス運用が行えるようになります。
検証機材
・DJI RS 4 Pro コンボ
・DJI Transmission (高輝度モニターコンボ)
・DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ
・DJI Ronin 4D ハンドグリップ コンボ
・DJI Focus Pro LiDAR DF1005
・FX30
・NiSi ATHENA PRIME LENS 50mm T1.9(Eマウント)
・HDMIケーブル
以下の動画のように、Focus Proを使用することでワイヤレスでシネマレンズをAF運用することが可能になります。
もちろん、ジンバルのジャイロ操作も併用可能です。
高輝度モニター側でシネマレンズのAF追従をモニタリングしながら撮影できるため、被写体の動きがあるシーンでも確実なフォーカスワークが行えます。
ウェーブフォーム表示にも対応しており、焦点位置の把握や露出チェックも高輝度モニター側で完結します。
非表示にもできるため、状況に応じた最適な画面構成で撮影に臨めます。

注意点:Ronin 4Dに搭載されているアクティブトラック機能のように、高輝度遠隔モニター上で被写体を選択してトラッキングさせる操作には対応していません。
3.DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブの必要性
今回ご紹介した構成では、「DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ」を使用しています。
しかし、DJI TransmissionはもともとWB37バッテリーを直接取り付けて使用することも可能です。
では、その場合、ケーブルハブは必要なのでしょうか?
結論として、以下のような組み合わせで使用する場合には、通信と給電の両方を安定させるために「DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ」が必須となります。
・DJI RS4 Pro × DJI Focus Pro LiDAR × DJI Transmission × DJI Focus Pro モーター
・DJI RS4 Pro × DJI Focus Pro LiDAR × DJI Transmission
一方、DJI Transmissionの映像伝送機能のみを使用し、AFレンズなどを使ってリモートカメラとして運用する場合には、ケーブルハブは不要となります。
4.DJI LiDAR レンジファインダー (RS) - DJI Transmission ケーブルハブとの違いについて
「DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ」には、前の世代にあたる「DJI LiDAR レンジファインダー (RS) - DJI Transmission ケーブルハブ」という製品が存在します。
見た目は似ていますが、よく見るとケーブルの本数や種類が少し異なっています。

この2つの大きな違いは、D-Tap(P-Tap)から給電するためのケーブルが付属しているかどうかという点です。
①給電方式の違いとRS4 Proでの改善点
RS3 Pro世代までは、ジンバル本体からの給電能力が足りなかったため、D-Tapなどの外部電源から電力を供給する必要がありました。
しかし、RS4 Proでは給電性能が大幅に向上しており、以下のような構成であれば外部電源なしで問題なく動作します。
・DJI RS4 Pro × DJI Focus Pro LiDAR × DJI Transmission × DJI Focus Pro モーター
・DJI RS4 Pro × DJI Focus Pro LiDAR × DJI Transmission
つまり、RS4 Pro世代ではジンバル本体からの給電だけで運用できるため、配線がよりシンプルになります。
ユーザーマニュアル記載の製品の配線図は以下の通りとなっています。(DJI公式引用)
A. DJI LiDAR レンジファインダー (RS) - DJI Transmission ケーブルハブ 接続方法
B. DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ 接続方法
それぞれのケーブルハブの配線図を見ると、「A」における5の接続部分が、「B」では③の箇所にあたります。
接続端子を比較すると、Type-C端子が1本から2本に増えていることが確認できます。
旧モデルではケーブルの本数が少ないため、電源供給や通信速度に不安を感じる方もいるかもしれませんが、D-tapでの給電を行わずとも基本的に動作上の問題はありません。
内部構造的にも、通信遅延や電力不足が発生することはないよう設計されています。
②外部電源を併用する場合について
旧モデルのDJI LiDAR レンジファインダー (RS) - DJI Transmission ケーブルハブを使用してより安定した動作を求める場合は、D-Tapポートを備えた外部電源(12〜17V)からの給電を併用することを推奨します。
特に長時間の撮影や、複数デバイスを同時接続するようなシーンでは、外部給電を使うことで安定性がさらに高まります。
③まとめ
「DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ」と「DJI LiDAR レンジファインダー (RS) - DJI Transmission ケーブルハブ」は、基本機能としてはほぼ同等です。
違いはD-Tap給電ケーブルの有無と、RS4 Pro以降では外部給電が不要になった点。
RS4 Pro世代ではよりスマートな接続で運用できるようになりました。
5.さいごに
RSシリーズと高輝度遠隔モニターを組み合わせることで、ワンオペでも複数カメラのリモート収録がスムーズに行えるようになります。
さらに「DJI Focus Pro LiDAR」を加えれば、シネマレンズでも正確なAF撮影が可能になり、プロレベルの映像表現を一人で実現できます。
そして、最新の「DJI Focus Pro LiDAR - DJI Transmission ケーブルハブ」では、RS4 Pro本体からの給電だけで完結できるため、外部電源なしでよりシンプルかつスマートな配線が可能になりました。
撮影現場の効率化や機動性を求める方は、このセットアップをぜひお試しください。
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