次世代産業用ドローン「DJI Matrice 400」登場!Matrice 350 RTKとの比較検証速報レポート

はじめに・・・
2025年5月、野沢温泉スキー場にて、DJIの最新産業用ドローン「DJI Matrice 400(試作機)」の性能検証が行われました。
本記事では、金井度量衡株式会社様に全面的にご協力いただき、DJI JAPAN株式会社以外にもご協力いただきましたこの検証の詳細をご紹介します。
※今回の検証につきましては、Matrice 400(試作機)を使用し、2025年5月8日までの暫定での検証となりますので、ご注意ください。 ※
2025年6月20日(金)の「CSPI-EXPO」のDJI JAPAN株式会社様のブース内で行われた発表資料を元に記事の作成を行っております。
【検証の目的と概要】
今回の検証の主な目的は、従来機Matrice 350 RTKとの比較、Matrice 400の写真測量・レーザー測量・他社製ペイロード搭載時の飛行性能と新機能の評価になります。
以下の3つの観点で評価いたしました。
1.DJI純正ペイロードを使った作業効率の比較
①Zenmuse P1を使用した写真測定量の作業効率比較
②Zenmuse L2を使用したレーザー測量比較
2. 競合製ペイロード搭載時の飛行性能と作業量の評価
3.新機能の実用性と活用シーンの広がり
【検証機のスペック】
【検証場所】
場所:長野県野沢温泉スキー場
検証量:写真測定量用、レーザー測定量用にそれぞれ4点設置
※画像はGoogleマップより作成
1.DJI純正ペイロードを使った作業効率の比較
【①:Zenmuse P1を使用した写真測定量の作業効率比較】
Zenmuse P1はGSD1cmになるように飛行高度やラップレートなど、すべて共通の諸元で計測を行いました。
■飛行諸元
型式 | 地形追従 | RTK | 検証量 (ポイント) |
RTH アラート (%) |
高さ (m) |
GSD (cm) |
OL (%) |
S L (%) |
速度 (m/s) |
M400+P1 | アスターG DEM |
D-RTK3 (NRTK) |
4 | 20 | 80 | 1 | 80 | 70 | 10.9 |
■Zenmuse P1を使用した写真測量比較
型式 | 飛行時 |
撮影枚 |
資源 |
M4 0 0+P1 | 47分 | 2,564枚 | 72ヘクタール |
M350+P1 | 29分 | 1,511枚 | 43ヘクタール |
〈Matrice 350 RTK + Zenmuse P1〉
〈Matrice 400+ Zenmuse P1〉
■M400+P1の検証点との比較差
検証点 | DX(m) | DY(m) | DZ(メートル) |
ポイント1 | -0.006 | 0.006 | 0.02 |
ポイント2 | -0.008 | -0.012 | 0.039 |
ポイント3 | -0.005 | -0.01 | 0.036 |
ポイント4 | -0.008 | -0.002 | 0.038 |
※標題点を使用して解析した場合の結果になります。
■結果
・飛行時間伸び、一度の飛行でカバーできる測定範囲は約1.7倍に拡大。
・Matrice 400で取得したデータの精度については従来機と半分色がなく、比較差が5cm以内に収まる精度になりました。
【②:Zenmuse L2を使用したレーザー測量比較】
Zenmuse L2はUAVレーザー測量の点密度400点/m2を満たすような諸元で計測を行いました。
■飛行諸元
型式 | 地形追従 | RTK | 検証量 (ポイント) |
RTH アラート (%) |
高さ (m) |
視野角 (°) |
SL (%) |
点密度 (pts/m2) |
速度 (m/s) |
M400+L2 |
アスターGDEM |
D-RTK3 (NRTK) |
4 | 20 | 80 | 70 | 55 | 400 | 8.5 |
■ Zenmuse L2を使用したレーザー測量比較
型式 | 飛行時間 |
資源 |
M400+L2 | 45分 | 70ヘクタール |
M350+L2 | 30分 | 41ヘクタール |
〈マトリス 350 RTK + Zenmuse L2〉
〈Matrice 400 + Zenmuse L2〉
■M400+L2の検証点との比較差
検証点 | DX(m) | DY(m) | DZ(メートル) |
ポイント5 | -0.010 | 0.000 | -0.027 |
ポイント6 | -0.010 | 0.000 | -0.023 |
ポイント7 | -0.010 | -0.006 | -0.016 |
ポイント8 | -0.003 | -0.006 | -0.022 |
■結果
・飛行時間伸び、一度の飛行でカバーできる測定範囲は約1.7倍に拡大。
・Matrice 400で取得したデータの精度については従来機と半分色なく、比較差が5cm以内に収まる精度になりました。
2. 競合製ペイロード搭載時の飛行性能と作業量の評価
【他社製ペイロード(1.55kg)の飛行時間比較】
■飛行諸元
型式 | 地形追従 | RTK | 検証量 (ポイント) |
RTH アラート (%) |
高さ (m) |
視野角 (°) |
スラップ (%) |
点密度 (pts/m2) |
速度 (m/s) |
M400+他社 (1.55kg) |
アスターG DEM |
D-RTK3 (NRTK) |
- | 20 | 120 | - | - |
- |
10 |
M350+他社 (1.55kg) |
- | 75 | 50 | 400 |
※GNSSアンテナ取付キットが開発中(=レバーアーム値未決定)につきMatrice 400+他社製ペイロードでの「計測」は実施せず。
※時間はいずれもキャリブレーションフライトおよび静的なキャリブレーションを含みます。
■競合製ペイロードを使用したレーザー測量比較(理論値)
型式 | 飛行時間 |
資源 |
備考 |
M400+他社 | 38分 | 80 |
作業領域は計測諸元とレーザースペックからの理論値 飛行時間はキャリブレーションフライトを含む |
M350+他社 | 22分 | 45 | 飛行時間はキャリブレーションフライトを含む |
■結果
異なるメーカーの機材を搭載した場合でも、「Matrice 400」は「Matrice 350 RTK」よりも長い飛行時間を維持し、作業可能エリアも拡大されることが確認されます。Matrice
400はGNSSアンテナ取付キットが開発中により、実際のデータでの比較がすることはできませんが、Zenmuse P1やZenmuse L2と従来機と同じ精度を考慮することが予想されます。
3.新機能の実用性と活用シーンの広がり
【新機能の注目ポイント】
■手動手動地形フォロー
Matrice 400では、地形に応じて高さを加減してフォローできる自動/手動地形機能ができるようになりました。 山岳地帯など起伏の激しいエリアでも安定した飛行が可能です。 今回の
検証ではオペレーターが高低差のある斜面を送信機のスティック操作を前進のみで飛行させています。
・突然地形フォローのイメージ
・手動手動地形フォロー送信機動画
■PPP(高精度単独測位)モード
Matrice 400にはPPP(高精度単独位)モードで位置精度を向上させる機能が追加されています。
PPPモードの精度を評価するため、RTKで撮影されたデータと比較測定します。
・PPPモードへの条件
電源ONにして約15分間GNSSを受信→通常の単独位置測よりも測位精度が向上。
※送信機に表示される標準偏差は絶対位置の標準偏差ではありません。
・PPPの条件を満たすユースケース
①電源オンのまま離席場所に放置(電力消費量:5~10%)して、PPPモードになったら計測を開始するケース。
→作業準備などをして、最初からPPPモードでの計測を行いたい場合はこちらで運用がおすすめ。
②15分程度飛行し着陸後にホットスワップでバッテリー交換して、再度飛行を開始する場合。
→周辺の確認を兼ねて飛行したい場合はこちらで運用がおすすめ。
■DJI Terra上で写真をインポートした時の画面
■結果
絶対位置として正しいと仮定するD-RTK3での点群データを正として精度比較しました。
赤い点群がPPPのデータで、RTK飛行で取得したデータと比較すると水平・垂直で30~40cmの視線差になりました。
この結果からD-R TK3を設置せずに30~40cmの精度を守るため、緊急時や精度があまり求められない業務では活用が広がるそうです。
■障害物検知機能の強化
障害物回避センサーの精度が向上し、狭所や障害の多いエリアでの安全性が広く受け入れられました。
LiDAR-SLAM技術、ビジョンセンシングとCSMレーダーの融合により、死角がない360度衝突回避が実現しました。
・電線を警戒するかテスト中
速度を出していても安全性能が飛躍的に向上しているのがわかります。 さらに、LiDAR-SLAM技術とCSMレーダーの組み合わせにより夜間でも防犯も可能となっています。
※注意事項
本検証は試作機を用いたものであり、製品版では仕様が変更される可能性があります。
検証場所の野沢温泉スキー場は一般にはドローン飛行が許可されていないため、実施には特別な許可を取得しています。
【まとめ】
今回の検証結果から、DJI Matrice 400は、薄型スペックの向上だけでなく、実作業における時間効率、安全性、データ品質といった重要な性能が明確
に改善されていることが確認できました。400は、従来機に比べて飛行性能・作業効率・安全性のすべてにおいて進化を重視した産業用ドローンです。 特にPPP機能や一時的なフォロー機能は、従来以上に柔軟な運用を可能とし、様々な現場においてその効果を発揮することが予想されます。
お問い合わせ先
金井度量衡株式会社(GeometrixEnterprise)
DJI正規代理店/DJI ENTERPRISE CAMPUS
※詳細資料請求・デモ依頼なども受付中