DJI Mic 3 4ch仕様の真価に迫る
1.DJI Mic 3 の4ch仕様
DJI Mic 3 は新たに 独立した4ch収録 に対応しました。
従来の一般的な4ch対応ワイヤレスマイクは、1/3・2/4をミックスしたステレオ出力が主流でしたが、DJI Mic 3 では 各チャンネルを個別に記録 することが可能です。
4ch収録の方法は大きく2通りあります。
① PCと接続して録音
付属のUSB-Cケーブル、またはスマートフォンアダプター(USB-C)を使用してPCと接続し、対応アプリで録音できます。
DaVinci Resolveなどの編集ソフトでそのままボイス収録が可能です。
② ソニー製カメラと接続して録画
DJI Micシリーズ カメラアダプターを用いて、SONYのMIシュー対応カメラに接続する方法です。
(弊社では FX2、FX3、FX30、α1、α7RⅤ などで検証済み)
この場合、カメラで録画した動画ファイルに 4つの独立した音声トラック が生成されます。
素材をタイムラインに載せるだけで、映像にリンクした4ch音声が自動的に展開されるため、波形合わせやTC同期は不要。
MIシュー対応カメラなら、誰でも手軽に4ch収録が行えます。
2.対応機種以外での録音方法
なお、ここまでご紹介した 4ch対応カメラ 以外で使用する場合、4つのマイクを同時接続しても 独立4ch収録はできません。
その場合は以下の2つのモードで録音されます。
■ M(モノラルモード)
4つのトランスミッターで収録した音声が、1つのチャンネルにまとめられます。
そのため、タイムライン上では「1つの動画ファイルに対して、1つの音声トラック」が生成される形になります。
■ S(ステレオモード)
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TX1・TX3 → 左チャンネル
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TX2・TX4 → 右チャンネル
という割り振りでステレオ音声が形成されます。
3.TC(タイムコード)に関して
DJI Mic 3でタイムコード同期を行う方法
DJI Mic 3にはタイムコードジェネレーター機能が搭載されています。
ここでは、カメラやレコーダーとDJI Mic 3を同期させる手順をご紹介します。
DJI Mic 3 を使用してカメラなどとタイムコード同期を行う手順
手順
① RXでタイムコード機能を有効化する
まずはレシーバー(RX)の設定画面からタイムコード機能をオンにします。
② フレームレートを統一する
RXで使用するフレームレートを選択し、カメラやレコーダーなどすべての収録機器と一致させます。
③ 出力タイプを選択する
使用するカメラやレコーダーがタイムコード機能をサポートしているかどうかに応じて設定を行います。
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サポートしている場合 → 出力タイプを L-OUT に設定する。
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非対応の場合 → そのままオーディオ信号として録音し、後処理で利用可能。
④ ケーブルで接続する
専用ケーブルを使い、RXから出力されるタイムコード信号をカメラやレコーダーのタイムコード入力端子へ接続します。
※特にソニー製カメラでタイムコード同期を行う場合は、Deity C23ケーブルの使用を推奨します。
以上の4ステップで、DJI Mic 3のタイムコード機能を有効活用できます。
こちらが実際にSONYのカメラとタイムコードの同期を行った様子です。
32bit音声での収録や、MIシューのないカメラ・4ch非対応カメラをお使いの方にも非常に便利な機能ですので、ぜひ参考にしてください。
4.RXの複数台接続
DJI Mic 3の複数RX運用について
DJI Mic 3では、最大8台のRXを同時使用することが可能です。
ただし注意点として、各RXに直接TXが接続されるわけではありません。
接続の仕組み
複数のRXとTXを組み合わせる場合、正しい構成は以下のようになります。
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各TXの音声信号はHost RXに一度集約される
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Host RXからSec1、Sec2…といった複数のRXへと音声が分配される
そのため、
「各RXに4台のTXを割り当て、最大32台のTXを同時接続する」
といった使い方はできず、ただしい方式は下のイラストのものとなります。
複数台のRXから出力について
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Sec1、Sec2などのRXからは、USB-Cや3.5mm OUTPUT端子を使って音声出力が可能です。
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タイムコード(TC)はHost RXと各Sec RX間で通信・同期されているため、RX間で同期ズレが発生することはありません。
運用メリット
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マルチカメラ収録(例:ライブ配信)では、各カメラに最大4つのTXの音声を直接送信でき、配線がシンプルに。
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スイッチャー使用時も音声系統をまとめやすく、システム設計が容易になります。
5.保証に関して
DJI Mic 3 には購入日から1年間の製品保証が付属しています。
さらに、同梱パッケージ内のQRコードをスキャンしていただくことで、保証期間をプラス1年間延長(合計2年間保証)できます。
保証期間中に製品品質に起因する不具合が発生した場合は、修理ではなく新品交換にて対応いたします。
安心して長くご利用いただけます。