Phase One 測量データ検証! ガウススプラッティングの3Dモデル化や精度検証をしてみました!
撮影機材:LUMIX S1II
今回Phase One(フェーズワン)製品のDJI用産業一次代理店である弊社で、Phase Oneの高画素カメラが測量でも使えるのか、ドローンフィールドで検証して参りました。
DJI Matrice 300 RTK + Phase One P3ペイロード iXM-100 AF80mmレンズをつけた状態と、DJI Matrice 400 + Zenmuse P1で撮影をして、撮れたデータをDJI TerraやMetashapeで2Dオルソ画像/点群/3Dモデルデータ化をし、精度検証もして比較検討をしてみました。
盛りだくさんの内容になっているので、Phase Oneご検討されている方、ご興味がある方は是非ご覧ください。
👇今回の風景画像で使用したカメラはこちら!
📸LUMIX S1II
商品サイト:https://www.system5.jp/products/n_1209867
スタッフからのコメント✨
Panasonic LUMIX S1M2は、有効画素約2,420万画素のフルサイズセンサーを搭載した次世代モデルです。 高速AFや強力な手ブレ補正、動画性能の向上により、静止画・動画両方で高い表現力を発揮します。 プロフェッショナルから映像クリエイターまで幅広く対応できる万能ハイブリッド機です。
Phase Oneについて
デンマークに本社があり、日本でカメラを製造しています。
広告写真の撮影やプロフォトグラファーが使う、ハイエンドカメラの製造・販売からスタートしたカメラメーカーです。
一眼レフカメラから航空撮影用、マシンビジョン向けカメラ、ドローン搭載用カメラなどの多種多様な製品を世の中に提供し続けています。
長野県佐久市で製造を行っている「MADE IN JAPAN」製品です。

iXM-100のスペックの紹介
商品ページはこちら:https://dji-info.system5.jp/collections/phaseone/products/phase-one-ixm-100
※iXM-100をDJI Matrice 300/350 RTKでお使いの際は、上記のカメラジンバルキットの他に、専用レンズとCFexpressカード・リーダーを別でご購入していただく必要がございます。
※サポートパッケージはプラチナ・ゴールド・シルバーの3種類あります。
「iXM-100」は2024年4月に国土交通省が発表した点検支援技術性能カタログに掲載されました。(技術番号:BR010068-V0024)
特徴としては
・1億画素の超高解像度:0.1㎜のクラックを広範囲の画像データで取得
1㎜/pxを視力1.0の人が2.5mで見る分解能と定義すると、「iXM-100」では150㎜レンズで約40m、80㎜レンズで約20mの距離で視認可能となります。1枚の撮影範囲は約12m✕8mです。
・DJIドローンとの親和性:DJI Matrice 300/350 RTKに最適化
距離計からの距離、カメラの向き、ライブ画像の確認、カメラ機能の全てをプロポ上からコントロール可能です。自動またはマニュアル撮影にも対応しており、GPSデータを撮影データに自動埋め込みします。
※送信機画面上(DJI Pilot2上)での映像
・85㏈のダイナミックレンジ:非常に暗い所、晴天下の逆光下で威力発揮
Phase One専用の現像・編集ソフトウェア「Capture One for Phase One」で暗部を持ち上げ、鮮明な画像に補正し解析ができます。
・撮影時間の短縮:広範囲撮影での写真測量も可能
以下の表は4200万画素のカメラと比較したものになります。「iXM-100」を使用して写真測量を行うと飛行時間と撮影枚数が大幅に少なくなります。
自動航行について
飛行中にLUMIX S1IIで撮影しました。横から見るとP3のロゴがジンバル付近で確認が出来ます。
撮影機材:LUMIX S1II
Phase One iXM-100もDJI Zenmuse P1も、DJI Pilot 2の自動航行であるエリアルートで行いました。
Phase OneのDJI Pilot 2での自動航行設定については、下記に記載がございます。是非参考にしてみてください。
【商品Q&A】Phase One iXM-100はDJI Pilot 2で自動航行は出来るのでしょうか。
今回については下記条件で行いました。
・DJI Matrice 300 RTK+iXM-100:GSD0.55cmの高度120mで撮影
飛行時間:約7分30秒 飛行速度:5.4m/s(最大)
・DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1:GSD1cmの高度79.6mで撮影
飛行時間:約5分 飛行速度:4.9m/s(最大)
DJI Terraでの解析について
DJI Terraにて双方のデータを解析にかけて、どのような違いがあるのか見てみます。
・2Dオルソ画像
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
・点群
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
・3Dメッシュデータ
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
・3Dガウススプラッティング
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
DJI Terraでの3Dメッシュとガウススプラッティングの比較について
2025年7月にDJI Terraで大幅アップデートがございまして、これまで出来なかったガウススプラッティングでの解析が可能となりました。従来の3Dメッシュと比較し、どのような違いがあるのかを検証してみました。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100で、それぞれ構築したので比較をしてみます。
〇木・葉っぱ・電線の表現
メッシュの方がパキッとしたデータに対し、ガウススプラッティングの方が木や葉っぱの生き生きとした表現や雰囲気が非常に本物に近い形で、綺麗に出来ていました。またガウススプラッティングの方は画面中央の細かい電線についてもしっかりと表現が出来ていました!
・メッシュ
・ガウススプラッティング
〇金属柵について
メッシュの方では細かい表現である金属柵の表現が出来ていませんでしたが、ガウススプラッティングについては、画像中央に金属柵がきちんと表現出来ていました。
・メッシュ
・ガウススプラッティング
〇構造物の傷などの表現について
メッシュの方が構造物の傷などは非常に良く再現されていました。ガウススプラッティングの方は寄ってしまうとぼやけてしまう事も起きて、細かい形状状態の確認をするには少し難しい場面がありました。
・メッシュ
・ガウススプラッティング
Metashapeでの解析結果について
Meteshapeにて双方のデータを解析にかけて、どのような違いがあるのか見てみます。
〇点群
・フェンス
Phase Oneの方が点群数が多く、フェンスがより正確に再現出来ているのが分かりました。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
・車
こちらでは点群化と、Metashapeのみでの機能で「点群の信頼性」を表示した画像を掲載しています。点群の信頼性は青色であればあるほど、点群の座標がより正しいことを示しています。Phase Oneの車部分での点群の方がより青色が多く、正確な事が分かりました。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
※点群の信頼性
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
※点群の信頼性
〇断面確認
Metashapeで点群断面を切ってみました。こちらもPhase Oneの1億画素が効いている結果となりました。体育館の雨どいや階段の断面を見ていただければと思います。
・体育館の雨どい
雨どいの点群がPhase Oneだと綺麗に再現出来ています。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
・階段の断面
段差の断面がPhase Oneだと綺麗に再現されています。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
DJI Matrice 400+DJI Zenmuse P1
精度検証について
MetashapeでP1・Phase Oneの二種類の画像を同条件で解析し、検証点との比較を行ってみました。
※どちらもD-RTK 3と機体を繋げた状態で撮影しております。
結果ですが、Phase Oneが1cm未満の誤差という非常に高精度だという事が判明しました。解析した点群はP1が約2億5千万点で、Phase Oneが約5億9千万点となり、この点群の差は解像度の違いにより、特徴点が多く出ていた為この結果になりました。
Phase Oneカメラが、測量でもしっかりと使えることが証明出来ました。
1億画素の点検向けの画像について
Phase One iXM-100の1億画素のカメラで、多くの点検画像を撮影してきました。今回はそちらもご紹介をさせていただきます。
DJI Matrice 300 RTK+Phase One iXM-100
〇対象物まで約100m離れています。
高解像画像を見ると分かりますが、どの構造物を画像アップにしても、非常に鮮明に撮影出来ているのが分かると思います。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約133MB)
〇対象物まで約10m離れています。
スピーカーの所の汚れであったりもくっきりと確認することが出来ます。1枚撮影出来ただけであとはPC上で簡単に状況把握できるのは、高画質ならではかと思います。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約106MB)
〇対象物まで約80m離れています。
屋上にあるプールの撮影を行いました。約80mも離れていますが、構造物の質感であったり、汚れ・傷などもはっきりと分かります。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約106MB)
〇対象物まで約40m離れています。
こちら約40mまで距離を縮めましたが、DJI Dock 3のRTKのロゴまで確認することが出来ました。またプールにドローンの影が浮かんでおり、ここまで鮮明に確認できたことに驚きでした。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約96MB)
〇対象物まで約80m離れています。
今度は体育館の屋根から約80m離れて撮影しました。よく寄ると屋根の剥がれなのか、黒色の斑点があり、その状況もここまで離れても確認が出来ました。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約110MB)
〇対象物まで約40m離れています。
約40mまで寄ってみました。屋根の質感もくっきりと分かりますし、よく見ると錆の確認も出来ます。ここまではっきり分かれば飛行中ズームをせずとも、PC上での点検で十分だと思います。
▼クリックすると高画質画像が表示されます(約82MB)
まとめ
撮影機材:LUMIX S1II
今回はPhase Oneで撮影したデータを測量データとしても使えるのか、主に検証して参りました。結果としては測量データとしても十分に使えるものとなっていました。
今回のPhase Oneの写真については「Capture One for Phase One」にて色の補正も自動でかけてみましたが非常に良い色合いとなり、解析をかけた3Dモデルも非常に綺麗なモデリングとなっていました。そこも良いポイントだと思いました。
また点検用の画像についても改めて有用なデータばかりとなっており、点検でも測量でも使えることが明らかとなりました。
これを機にPhase Oneカメラをお客様の業務にも少しでも落とし込めるイメージが出来れば、非常に幸いに存じます。
・Phase One iXM-100とiXM-GS120の使用方法や、メンテナンス・アップデート方法について全てまとまったマニュアルです。
≫Phase One製品「iXM-100」「iXM-GS120」統合マニュアル
・Capture One for Phase Oneの使い方が載っているマニュアルです。
≫Phase Oneカメラ製品に対応 「Capture One for Phase One」 の無料ライセンス発行から基本的な使い方マニュアル
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