高精度空撮を支えるPhase Oneのものづくり - 佐久工場見学レポート

今回、Phase One(フェーズワン)製品のDJI用産業一次代理店である弊社が、Phase One Japan株式会社(フェーズワンジャパン)の佐久工場(本社工場)を見学させていただく機会を頂きました。

本記事では、現地で見た品質管理の取り組みや製品づくりの裏側をレポートし、Phase Oneカメラがどのように産業利用を支えているのかをご紹介いたします。


 

1. Phase Oneと佐久工場

Phase Oneは通常のカメラよりも大きなセンサーを搭載するラージフォーマットカメラのリーディングカンパニーであり、世界最高水準の高解像度カメラを製造しています。本社はデンマークにあり、製造拠点は日本の長野県佐久市に構えています。

同社はプロフェッショナルフォトグラフィーから文化財のデジタル化、産業検査、航空測量、セキュリティ、宇宙分野に至るまで、多様な分野に向けた製品を提供し続けています。

 

 

Phase One Japan 佐久工場は、かつてマミヤ・デジタル・イメージング株式会社から受け継がれた技術とノウハウを土台に、カメラ本体・レンズ・デジタルバックの開発から組立、検査、アフターサービスまでを一貫して担う製造拠点です。約50名の精鋭技術者が在籍し、精密で高品質な「MADE IN JAPAN」製品を世界へ送り出しています。

日本国内に製造拠点である佐久工場を構えていることもPhase One製品の大きな強みのひとつです。製造から検査、修理やメンテナンスまでを一貫して国内で対応できる体制が整っているため、日本のユーザーは安心して製品を利用することができます。

また、万が一のトラブルや修理が必要な場合にも、海外拠点を経由する必要がなく、迅速かつ的確なサポートが可能です。プロフェッショナルフォトグラファーにとって、現場で機材が止まることは大きなリスクですが、国内工場の存在はその不安を大きく軽減します。

佐久工場はPhase One全体における重要な生産拠点としての地位を確立しています。静かな佐久の自然環境に囲まれた工場から、世界中のプロフェッショナルを支える最先端カメラが生み出されているのです。

 

2. 佐久工場について

今回の見学で強く印象に残ったのは、徹底した品質管理体制です。

カメラの組み立てから最終検査に至るまで、複数の工程で厳格な検証が行われており、産業用途に求められる「信頼性」を担保していました。特にレンズやセンサーの調整工程は非常に繊細で、熟練した技術者の手によって一台一台が丁寧に仕上げられている様子を目の当たりにしました。

1. 佐久工場の役割

Phase Oneの製品は、レンズ、シャッター、カメラの3つの部門に分かれており、それぞれが個別の工程を経て最終的に組み合わされます 。

レンズは組み立て時に、後ろから光を当ててホコリの確認や調整を行いながら作業を行います 。

シャッターは機械部品で構成されており、複雑な手続き業務を通じて組み立てられます 。組み立て後には調整が必要となります 。中には羽や電気基板があり、3次元測定器でアライメントの精度を出しながら製造されます 。

カメラはボード類の組み立てが行われ、最終的な検査では50℃から-20℃の温度変化を8時間かけて行い動作確認をする温度試験が実施されます 。また、レンズを装着する面の水平度をセンサーでテストする工程もあります 。

最終的に、レンズとカメラを合体させ、遠くのターゲットを使ってフォーカスを調整し、厳格なチェックを通過した後に製品として出荷されます 。

他にもお客様からレンズキャリブレーションのご要望があった際も、佐久工場内のPhase One独自のキャリブレーション施設で行っております。

工場には約50名の従業員が勤務しており、全ての工程を手作業で行っております。


2. なぜ「MADE IN JAPAN」なのか

Phase Oneはかつてイスラエルをはじめ、世界各地に製造拠点を持っていました。しかし、2009年にマミヤデジタルイメージングへ出資し共同開発を始めたこと、そして2015年の完全買収をきっかけに製造体制を大きく転換。以降は長野県佐久市に拠点を置く「Phase One Japan」で一貫生産を行い、完全な「MADE IN JAPAN」体制を確立しました。

⇧マミヤの当時の工場がそのまま残っており、現在はPhase Oneの生産拠点として活用されています

 

佐久工場では、カメラ本体・レンズ・デジタルバックの開発から組立・検査・アフターサービスまでを一貫して担い、マミヤから受け継いだ光学技術と日本ならではの精密なモノづくりを融合。これにより、世界最高水準のラージフォーマットカメラを安定的に供給できる体制が整えられています。

 

3. 研究開発との連携

日本の長野県佐久市の工場はグローバル生産拠点に位置しており、研究開発については本社のあるデンマークにて行われています。

海外の研究開発拠点で作られた新製品の設計データは、日本の製造拠点に送られます。日本の技術チームは、単に設計図通りに組み立てるだけでなく、「生産性を高めるテクノロジー」の一環として、各製品に最適な製造プロセスを確立しています。その上で開発担当との擦り合わせが必要な場合はデンマーク本社から来ていただき、打ち合わせを行って製造を行っています。

 

3. DJI産業ドローンとの親和性

Phase One製品のP3ペイロードはDJI産業機のMatrice 300 RTK/Matrice 350 RTKと高い親和性があります。距離計からの距離、カメラの向き、ライブ画像の確認、カメラ機能の全てをプロポ上からコントロールが可能で、撮影方法も自動とマニュアル共に対応しております。また、GPSデータも撮影データに自動で埋め込みをします。

専用のアプリケーション等をインストールしていただく必要もないため、P3ジンバル専用のダンピングプレートに付け替えるだけでセッティングが完了し、すぐ飛行を開始することができます。

iXM-100/iXM-GS120は、従来のカメラを大きく上回るセンサーサイズによる高い解像度と広いダイナミックレンジを誇り、細部まで忠実に記録することができます。また、DJIの産業機は、安定した飛行性能と強力なペイロード搭載能力を備えており、重量のあるPhase One製品を無理なく搭載できます。この組み合わせにより、高解像度の航空写真や点検部の写真を効率的かつ安定して取得することが可能です。

 

4. まとめ

今回の佐久工場見学は、PhaseOne製品の「高解像度 × 高信頼性」という特長を改めて実感する貴重な機会となりました。

また、佐久工場という拠点の最大の強みは、物流拠点も構えているので、海外のメーカーでありながら納期約1ヶ月という圧倒的な迅速性にあります。これは、海外拠点にはない大きな利点です。また、顧客からのキャリブレーション依頼や、点検、修理も国内で受け付けており、製品の販売後も安定したサポートを提供しています。

 

弊社では引き続き、DJI産業機とPhase Oneカメラを組み合わせたソリューションをお客様にご提案し、測量・点検業務の効率化や精度向上に貢献してまいります。

また、販売に加えて導入事例やユーザーインタビュー・マニュアル類など、導入後の運用に役立つ各種資料も豊富にご用意しております。Phase One製品の魅力を余すことなくご紹介しておりますので是非ご覧ください。

・Phase One iXM-100とiXM-GS120の使用方法や、メンテナンス・アップデート方法について全てまとまったマニュアルです。

Phase One製品「iXM-100」「iXM-GS120」統合マニュアル

 

・Capture One for Phase Oneの使い方が載っているマニュアルです。

Phase Oneカメラ製品に対応 「Capture One for Phase One」 の無料ライセンス発行から基本的な使い方マニュアル

 

 

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